【国外では最弱】司法まで掌握することになれば…韓国で台頭する「怪物独裁国家」誕生シナリオ 日本は最強の力を持った大統領と対峙することに
【国外では最弱】司法まで掌握することになれば…韓国で台頭する「怪物独裁国家」誕生シナリオ 日本は最強の力を持った大統領と対峙することに
【国外では最弱】司法まで掌握することになれば…韓国で台頭する「怪物独裁国家」誕生シナリオ 日本は最強の力を持った大統領と対峙することに
新大統領はどんな人物で、直面する課題にどのように対応していくのか。東洋経済オンラインでは前後編に分けて、現地在住ジャーナリストの分析をお届けする。後編はイ大統領が強力に推し進めようとしている司法改革についてだ。
■危ぶまれる「怪物独裁国家」誕生
6月3日に投開票が行われた韓国の大統領選。「共に民主党」のイ・ジェミョン候補(61)が選出されたことを受けて、同党を熱烈に支持する知人は「当然の帰結。これから韓国は民主主義を回復し新しい大韓民国になる」と興奮していた。
一方、保守派の「国民の力」を支持する知り合いは「悪運だ。ユン・ソンニョル(前大統領)があんなばかげたこと(非常戒厳令)をしなければ政界から退場していたはずの人物が大統領になるなんて、悪運と考えなければやりきれない」とうなだれていた。
「政界から退場していたはず」というのは、イ大統領が土地開発疑惑などで裁判を抱えており、5月1日には二審で無罪となった公職選挙法違反の上告審で差し戻し判決が出たことを指している。
大統領選挙前にオンライン上で拡散されたのは、刑務所に入れられたユン前大統領とイ大統領が互いににらみ合っているフェイク動画だった。大統領選挙中、「国民の力」のキム・ムンス候補側は、イ氏が大統領になれば「怪物独裁国家になる」と攻撃していた。その理由の1つに、法治主義の崩壊を挙げていた。
イ大統領は5つの裁判で係争中だ。公職選挙法違反に関しては一審で懲役1年、執行猶予2年の有罪判決が出たが、3月末の控訴審で無罪となった。最高裁での判決は大統領選挙後に開かれるとみられていたが、異例のスピードで審理が行われ、5月1日に判決が出た。
最高裁は次期大統領の可能性のある人物を裁判するという理由から、異例の12人の裁判官で裁判を実施。「控訴審の判決は誤っている」として差し戻しとなった。12人の裁判官のうち10人が賛成しており、「事実上の有罪判決」といわれた。
■相次ぐ法改正で司法の掌握を画策
これに猛反発したのが「共に民主党」だった。「国民の主権を侮辱する政治介入」(同党の中央選挙対策委員会総括委員長)と断じ、チョ・ヒデ最高裁長官を弾劾するとしたが、世論の非難を浴びて、取り下げている。
一方で「こうした結果は最高裁にエリート裁判官しかいないためだ」とし、視野を広げるために民間などの幅広い採用を行い、裁判官を14人から100人に増やす裁判所組織法の改正案を出した。だが、こちらも世論からの反発をくらい、30人の増員にとどめる形で公約に盛り込んだ。
最高裁の裁判官は最高裁長官が推薦し、国会の聴聞会を経て、大統領が任命する。しかし、その過程を変え、裁判官の大幅な増員によってイ大統領が任命した裁判官の割合を一気に高め、司法まで掌握するつもりかという強い懸念が出ていた。
しかし、イ氏が大統領に就任した6月4日、国会の法制司法委員会は、最高裁の裁判官を増員する裁判所組織法の改正案を通過させた。現在14人の最高裁裁判官の定員を1年に8人ずつ、2年間で16人を増員し、30人にするというものだ。
「共に民主党」は大統領選挙直前には、同委員会で虚偽事実公表罪を構成する要件のうち、「行為」を削除する公職選挙法改正案を通過させている。今後、この改正案が国会の本会議で成立し、政府がこれを公布すれば、イ大統領の罪はなくなり、免訴判決を受けることができる。
さらに、大統領に当選した被告人の場合、刑事裁判の手続きを停止するようにする刑事訴訟法の改正案も先月、同委員会を通過している。委員長を務めるのは、「共に民主党」所属のチョン・チョンレ議員だ。
そのうえイ大統領は、ムン・ジェイン政権が進めた検察改革を推し進めるとしており、「捜査と起訴を分離し、検察の起訴の乱用を統制する」ことを公約に盛り込んでいる。
■イ大統領のための検察改革
検事出身の保守寄りの人物は言う。「イ大統領の検察改革は自分のため。自分が起訴された事件についても、起訴された事実自体をなくそうとするだろう。起訴した検事は洗い出され、放出される」。
以下全文はソース先で
■日本は「最強の力を持った大統領」と対峙することに
東洋経済 2025/06/06 5:31
https://toyokeizai.net/articles/-/882256